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【ヨーロッパの多様な文化を味わうフランスの青春映画】スパニッシュ・アパートメント(L'auberge Espagnole)

混沌とした青春劇。

カオスの中からグザヴィエが自分の欲望に再び焦点をあてる出発のストーリー。

見ればみるほど好きになります。

 

 ◼️あらすじ

グザヴィエというフランス人の大学生がスペインに留学します。

本心ではガールフレンドのマルティーヌと一緒にいたいにも関わらず、自らの将来を案じバルセロナでの留学を決意する。

この映画のメインはそのバルセロナでのアパートメントでの生活です。

ヨーロッパの各地から来た人たちとそのアパートメントでグザヴィエは共同生活を始めます。 

その混沌とした生活を通し、グザヴィエは自分が心からやりたいことを見つけていくという話です。

 

◼️スパニッシュ・アパートメントの魅力

・混沌さ

最初に見た時はこの映画にテーマなんてあるのかと疑いました。

多くのシーンは断片的で、非常にランダムです。

登場人物の考え方や感情がカオス。

いきなり怒り出したり、ケンカをしたのになんの説明もなしに急に仲直りをしたりします。

それがこの映画のひとつの魅力です。見てる人の想像力を刺激してくれます。

引き込まれます。

それもどうしようもなく。

 

・シーン

いい映画に素晴らしいシーンがあるのは当然ですが、魅力あふれるカットがあふれています。

グザヴィエに会うためにマルティーナがバルセロナに来ました。そしてパリに帰る時に、グザヴィエがマルティーナを空港まで見送りに行きます。

その別れのシーンが秀逸です。

お互い歩み寄ろうとしようとしているのにも関わらず、すれ違う二人を表現したシーン。

これはぜひ注目して見てほしいです。

エスカレーターにこんな使い方があっただなんて。

 

・エディティングのアイディア

この映画は編集のアイデアもおもしろいです。冒頭にグザヴィエがバルセロナ大学への留学の手続きをするシーンがあります。

その時にはスクリーンに留学に必要な書類がべたべた張り付いてくる演出があり、煩雑な手続きをユニークに表現しています。

他にもおもしろい表現がたくさんあるので、何度見ても新しい発見があります。

 

・音楽

RadioheadDaft Punkなどの音楽が効果的に使われています。

Radiohead/No Surprises

Daft Punk/Aerodynamic 

特にNo Surprisesは思い入れのある曲で、この曲が使われているシーンが来ると興奮します。

他にはラテン・ミュージックなども効果的に使われており、この映画の大きな魅力のひとつになっています。

 

・さまざまな言語

この映画はフランス語がメインですが、スペイン語と英語も劇中で話されます。

スパニッシュ・アパートメントを見るときは絶対に吹き替えにしないで下さい。魅力が半減します。

この映画を通してヨーロッパの雰囲気をご堪能ください。

 

◼️スパニッシュ・アパートメントとの出会い

アメリが好きで、オドレイ・トトゥの映画を追っている時にはこの映画に出会いました。オドレイはマルティーヌ役でこの映画に出ています。

初めてこの映画を見たのは大学生の頃です。

大学で英語を勉強していたので、こういったヨーロッパや欧米のカルチャーに大きなあこがれを抱いていました。

学生の頃にも何度もこの映画を見返しました。

僕に就活を辞めさせ、渡英を後押ししてくれた一因がこの映画にあるのは間違いありません。

◼️三部作

スパニッシュ・アパートメントには続編となる映画が二つあります。ひとつはロシアン・ドールズで、もうひとつはチャイニーズ・パズル(邦題:ニューヨークの巴里夫)です。

世界は混沌としていて複雑であるというグザヴィエの認識はスパニッシュのアパートメントの続きであるロシアン・ドールズとチャイニーズ・パズルにも引き継がれていきます。
この考えは監督であるセドリック・クラピシュがこのシリーズで強調したいテーマのひとつではないかと僕は思います。

その考えが最後にどう着地するのかを知りたい方はぜひ続編もご覧ください。